第16回:自分を知ろう16:動的バランス(2017年5月4日放送分)
前回は、股関節の外旋(外ねじり)についてでした。開脚や股関節外旋は骨格として安定する方向への動きです。股割りが出来ると粘り強さも育ちます。あぐらの姿勢で自分の心と体の状態に気づきましょう。
今回は動的バランスについてです。このコーナーの初回で、その場での静的なバランスの紹介をしました。
「バランス」というのは、大きく分けて二つの種類があり、一般的によく知られている一定の姿勢を保つ体の「固定力」を指す「静的バランス」というものと、運動の中で動きに対して体を安定させる「動的バランス」と言われるものがあります。動的バランスは英語では、「ダイナミックスタビリティ」と表現されることもあります。
まずは静的バランスのチェックから行いましょう。
メニュー①:タンデムチェック
自分のダイナミックスタビリティの能力を知る前に、
まず以前に行った「静的バランス=タンデムチェック」というチェックをしてみましょう。
<方法>
姿勢をよくして立って、右足を前に、左足を後ろにして
つま先とかかとをつけて両足を縦に並べて立ちます。
この姿勢をタンデムといいます。
グラグラしていませんか?
これが基本姿勢で、ここからレベルを上げていきます。
次は、その姿勢で目を閉じてみましょう。
目を閉じてもしっかりと立てる方は、片足ずつ上げてみましょう。
今は右足を前にしましたが、逆も試してみてどちらも目を閉じてしっかり立てれば合格です。
目を開けて立てなかった人は、大きな問題が起こる前に改善をしましょう。
またすでに問題のある方は専門家へご相談ください。
体の固定力である静的バランス力も大変重要ですが、運動やスポーツの中では体が自身の意識で動いている状態がほとんどです。スポーツに限らず日常生活においても、常に体を動かしながら生活しています。なので、動的バランスつまり、動きの中で体を調整、安定させる能力が必要になります。
今度は体を動かしながらバランスが保てるかやってみましょう。
メニュー②:動的バランス(タンデムから足上げ)
先ほどの両足を縦に並べる姿勢、タンデムでしっかりと立ちます。
目をあけたままで、前にある足、右足を上げ下げして、バランスが取れるかどうかチェックします。
同様に後ろ足の膝を曲げてみましょう。
次はタンデムの状態で顔を動かしてみましょう。
顔を上下・左右に動かしてみましょう。
顔を動かすだけでバランスが崩れる人は、歩いている時にきょろきょろしている時にバランスが崩れ転倒してしまう恐れもあります。
手足を前後や左右、回旋運動などで動かすことで、安定力を向上させることができます。コツは軸足で踏ん張って立つというよりも、無駄な力を抜き、リラックスしバランス感覚を意識して行いましょう。
メニュー③:改善メニュー①(脚振り)
タンデムで立ち、前足を前後に振ってみましょう。
最初は小さくバランスが取れたら徐々に大きく振ってみましょう。
目安は10回です。
ゆとりのある人は、脚の動きに合わせて腕振りも行ってみましょう。
メニュー④:改善メニュー②(タンデム屈伸)
タンデムで立ち、そのまま屈伸してみましょう。
バランスよく上下に身体を動かすことが出来ますか?
目安は10回です。
こけたり、ものに当たったりしないように気をつければ、どこででも簡単にできそうなメニューですが、これを続けることで動的バランス=ダイナミックスタビリティが向上していきます。
運動レベル問わずどなたにでも行えるかと思います。例えば、今回紹介したメニューも高齢者の方が、手すりを持ってバランスよく行うことで、転倒予防のエクササイズにもなります。
是非、ご自分の運動レベルの合わせたカタチで無理なく行い、体の運動機能の向上を目指しましょう。
少しぐらいでしたら、バランスが崩れるのも気持ちがいいものです。
そんな良さも感じながらバランス感覚を身につけましょう。