第18回:自分を知ろう18:足首を伸ばす(2017年6月1日放送分)
前回は、股関節内ねじりについてでした。一般的に股関節外旋が硬く、股関節内旋が柔らかい場合は、足腰の不安定が考えられます。相撲は、股割りが基本的なトレーニングとなり、股関節外旋が柔らかく股関節内旋に硬さがみられる傾向があります。股関節の左右差や内旋、外旋のバランスを整えることにより全身のコンディション(健康状態)が向上します。
今回は、「足首を伸ばす」というテーマです。アキレス腱やふくらはぎに着目してみましょう。腱は骨と筋肉を繋ぐもので伸び縮みをしない部位です。年配の方が急に運動をしてアキレス腱を切る、なんて話は聞かれることがあるかと思います。フルマラソンをしてアキレス腱の炎症はよく起こる障害の1つです。また、バスケットボールやバレーボールなど走って跳んだりする競技ではアキレス腱は切れることが起こりやすいケガです。
例えば足首の調子が悪いという時に、筋力が弱っているのか、またはパーツの並び方や動きが悪いのか?
いろいろ原因がありますので、チェックしていきましょう。
メニュー①:足首の柔軟性チェック
以前、行った足首の柔軟性チェックを行ってみましょう(第11回目)
長座で座り、足首からまっすぐにつま先を伸ばしましょう。
どこまで伸ばせますか?左右差はありませんか?
◎ 指が床につく
○ すねと一直線になるように伸ばせる
△ すねと足先が30度ぐらい
× すねと足先が45度ぐらい
基礎体力レベルの、「すねと一直線まで伸ばせる」を目指しましょう。
改善コンディショニングは、以前お伝えした足指グーパー体操や足裏ほぐしが効果的です。
足指グーパー体操(第11回より)
足裏ほぐし(第11回より)
次に足首から先の部分をチェックしてみましょう。 足部の役割は、車の部品に例えるとタイヤにあたります。そのタイヤに空気がしっかりと入っていなかったり、向きや角度が正しくついていなかったりすると正しく走ることが難しくなります。
メニュー②:足部のアーチのチェック
足のアーチには、
・内側アーチ(踵から親指にかけて)
・外側アーチ(踵から小指にかけて)
・横アーチ(中足部)
の3つのアーチがあります。
この3つのアーチでバランスの良い3角錐が出来ていることが大切です。
このアーチをしなやかに使うことでクッションの役割を担うことが出来ています。バランスよく瞬発的に大きな力を出すなど強さの必要な時は鋭く機能し、着地など柔らかさが必要なときは柔らかく使い、ハードな動きの連続に対してもたくましく粘り強く機能しています。
偏平足はタイヤの空気が入っていないのと同じで、ハイアーチは空気の入りすぎと同じです。着地時の衝撃がそのまま足部にかかったり、脚から伝わるパワーをしっかり地面に伝えられないということが起こってきます。
アーチのコントロールには足指の働きが不可欠です。足首の柔軟性と同じように足指グーパーや足裏ほぐしなど、前回ご紹介した足部の改善メニューを行いましょう。
メニュー③:アキレス腱の方向のチェック
気をつけをして後ろから踵の着き方をみます。地面に対して踵の骨が外反(外に向いている)であれば回内足の可能性があります。その逆であれば回外足です。
内に体重が乗りやすい回内足は、偏平足になりやすく足部の問題ばかりではなく、全体的に関節が緩みやすく問題がおこりやすくなります。
外に体重が乗りやすい回外足は、ハイアーチになりやすく、重心が外側に移動し、外側への動きに不安定性が生まれやすくなります。また、O脚になりやすく、身体全体のバランスに影響を与えます。
メニュー④:コンディショニングメニュー①(カーフレイズ~足指立ち)
改善メニューとしては、つま先立ちが有効です。
気をつけの姿勢から、つま先だけで立ちます。
ただし、外反母趾など問題のある方は無理をしないで下さい。
左右20回を目安に行いましょう。
余裕がある人は指立ち(親指)までやってみましょう。
テニスボールを挟んでやってみるのもおすすめです。
座ってつま先はまっすぐ伸ばせるけれど、足指立ちが出来ない方はふくらはぎの筋肉など、足首伸ばしに関わっている筋力が弱いと言えます。カーフレイズやふくらはぎの筋肉などを鍛えるトレーニングで強化していきましょう。
まっすぐあげていくとひずみが出やすくなりますので、正しい動作で繰り返し行って、正確に出来るようになりましょう。
まず足指のグーパー体操や足裏ほぐし、そして足指立ち、カーフレイズなどで足のアライメントをコントロールできる能力を身につけ、健康に過ごしましょう。