第33回:自分を知ろう33:バランス力を高めよう(2017年12月7日放送分)
前回は「股関節を動かそう」をテーマに、椅子を使った体操をご紹介しました。
良い姿勢で座る(スタビリティー)と股関節の動きが良くなる(モビリティー)のと同じように、正しく立てる(スタビリティー)と、立った時の股関節の動きもよくなります(モビリティー)。逆に姿勢が崩れ(体幹のスタビリティーの崩れ)、股関節が動かない状態(モビリティーの崩れ)であると足や膝、腰に負担がかかりやすくなります。体幹の固定力を高め、股関節の動きを良くして、足腰の傷害予防に役立てましょう。
今回は、「バランス力を高めよう」ということで、バランストレーニングをご紹介します。
余裕をもって歩くことができて、少し走ることができると、日常生活を活動的に過ごすことができます。歩くことに余裕があるというのは、両足でバランスよく立てる体力と合わせて、片足で体重をコントロールする体力が必要です。歩いている時は、ほとんど片足だけで身体を支えています。
身体のバランスに関わっているのはいろいろとありますが、まず視覚と三半規管で平衡を保っています。血圧が高いとか、風をひいているなど体調が悪いとフラフラするのはそのためです。その情報をうまく使って、体幹の力、股関節との連動性、そして身体の各部分で調整しています。
身体の調整センサーは足の裏と腰、首にあります。例えば、足の裏はバネとセンサーで身体全体と地面との関係を計算していますし、腰と首の戦さーは姿勢を保っています。電車でコックリ居眠りをしていて床にまで落ちたりしないとか、酔って千鳥足の方が意外となかなか倒れないのもセンサーの働きがあるからです。
腰・首のセンサーを働かせることで、腰と股関節を安定し、体幹のバランストレーニングを行いましょう。
メニュー①:バランスチェック
両ひざで立って気を付けの姿勢から、左脚はそのままに、右脚を前に出して膝を立てます。これをランジ姿勢といいます。平均台の上にいるイメージで、右足・左ひざ・左の足先までが一直線上になるようにして姿勢をバランス良く保ってください。
目安は1分間キープできるかどうかです。
余裕がある方は、そこから目を閉じてください。
◎ 目を閉じて60秒キープできる
○ 目を開けて60秒キープできる
△ 目を開けて60秒キープできない
× 目を開けて15秒キープできない
足を逆にしても、同じようにチェックしてみましょう。
メニュー②:バランスアップ体操
8パターンあります。それぞれ10回ずつを目安に行いましょう。
①右足を前にしてランジ姿勢になり、バランスを取りましょう。
②左足を前にして、同様に行います。
③右足を前にして目を閉じてみましょう。
④左足でも同様に行いましょう。
それぞれ30秒から60秒を目安にしてください。
ランジ姿勢はバランス維持に大きな筋肉を使います。使えないと姿勢を崩したときに踏ん張れないようになってしまいます。この姿勢を維持することで正しくバランス調整力が身につけます。
フラフラする方は、姿勢を良くする意識が大切です。センターライン(身体の中心線)を意識したり、フラフラしていても目線はまっすぐ前を向きます。
⑤右足を前にして、ランジの姿勢を取ったら首を左右に動かしましょう。ゆっくり、1回ずつ右、左としっかり見て行いましょう。
⑥左足でも同様に行いましょう。
⑦右足を前にしてランジのタンデムの姿勢を取ったら、今度は上下に首を動かしましょう。
⑧逆も同様に行います。
深呼吸をして終わります。
では再チェックしてみましょう。先ほどよりも足があがりやすくなりましたか?
首を動かしただけでバランスが崩れる方は、スマホを見たり、キョロキョロしたりしながら歩くとバランスを崩します。
普段外に出るのが少し苦手と思っている人も、家の中で少しのトレーニングを毎日することで、景色を楽しみながら歩くことにも余裕ができます。ぜひこれからみなさんもトレーニングライフを楽しんで続けてみてください。