第48回:自分を知ろう48:ヒールレイズ②(2018年6月14日放送分)
前回は、「ヒールレイズ」がテーマでした。踵をまっすぐあげられないとアキレス腱を痛めやすく、力の伝達がうまくいなくなるため、歩きや走るフォームも崩れやすくなります。立つ、歩くなどの場面で大切なふくらはぎの筋肉が鍛えられ、地に足がついた安定した姿勢が得られます。
今回のテーマも「ヒールレイズ」です。
ヒールレイズは立って行うとバランスが難しいので、今回は地面に座ってやってみましょう。基本の姿勢は正座です。正座をした時に、股関節をかかとに乗せられるかどうかというところが、ヒールレイズで大切なところになります。
メニュー①:正座チェック
1)正座が出来ますか?
正座をするときに、左右の足を平行にして、かかとにお尻が乗せられるかどうかがチェックポイントになります。
◎足を平行にしてかかとにお尻をのせて正座ができる
○正座が出来る。
△足を重ねる、つま先を立てて座れる
×全く正座ができない
通常、正座をした状態をチェックすると、足が内側に向いています(足指が内側に入っている状態)。これは、かかとが内側に向いているからです。かかとを(足の向き)まっすぐにすると、一般の方はやりにくさを感じる人が多いです。コンディションの悪い方は、膝が曲げにくくなります。
2)スクワットチェック
まずは姿勢良く立った状態から、椅子の背もたれに手をかけて、スクワット(しゃがみこみ)をします。
姿勢を崩さないで、足と膝を揃えたまま行います。
◎椅子の背もたれを持たずに、姿勢を崩さずスクワットができる。
○姿勢を崩さずスクワットができる。
△足や膝が不安定になる。
×スクワットすることができない。
スクワットとヒールレイズを行ったときの足首を観察してください。同じようなフォーム(形)になっていますか。スクワットを行った時は、かかとの上に股関節が乗っています。ヒールレイズを行ったときは垂直上に股関節があります。スクワットとヒールレイズを行ったとき同じフォームになっていることが、機能的ということになります。
メニュー②:コンディショニング
自分の体力に合わせて、無理のない範囲で行いましょう。
気持ちよくやれる範囲で行いましょう。
今回は4つのパターンのしゃがみ肩をしていきます。
イスの背もたれを持ち、気をつけの姿勢で立ちます。
① そのまま下へしゃがみましょう。
② ヒールレイズをしながらしゃがみこみます。ヒールレイズをした時と同様に、足部のアーチを保ちながら行えるようにしましょう。
③ 気をつけの姿勢で手を膝に置き、お辞儀をした姿勢をつくります。手は膝で肘を伸ばしたまま、下へバランスよくしゃがみこみましょう。
④ ③が出来た人は、腕をねじり(外旋)指を体に向けて鼠径部に指がくるようにして手の平を太ももの上部に置き、お辞儀した姿勢を取ります。その状態のままバランスよくしゃがみましょう。
終わったら、最初のチェックを行ってみましょう。
どうでしたか?
トレーニングは、姿勢が安定するほど効果的で機能的な体力がつきます。①バランスが悪い方でも、問題なく出来ます。②先にかかとを上げることで少し不安定なストレスをかけます。③股関節から上半身を固定することで、股関節から下半身でバランスのストレスをかけます。④上半身を(特に腕を)固定することで、かなり下半身にバランスのストレスをかけます。下半身だけでバランスを取れるようになることで、上半身はかなり自由になり進化します。
少し窮屈な状態でのしゃがみこみをしましたが、まっすぐ正しいかかとの動きができる下半身の土台があれば、バランスよく立つことができます。ヒールレイズは、上体の姿勢やバランスが悪いとスムーズな動きができにくくなってしまいますので、ヒールレイズのコンディショニングとあわせて、きれいな姿勢を保つようにしてください。
コンディションが良くなると、起立・礼・着席というすごくシンプルな動作でも美しく見えてきます。